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融資を受ける理由とその返済期間、返済方法について
今回は、融資を受ける理由と返済期間、返済方法について、ご説明をさせていただきます。
あたりまえだと思われる内容もございますが、融資を申し込む際には大変重要な内容となっています。どうぞ、ご参考くださいませ。
【融資を受ける理由】
創業融資をお考えいただく際に融資を受けた後、何に使用するかはとても重要です。
ただ単に漠然と「お金が必要だから融資を受けたい」では、お申込みいただいても成功する可能性は低いです。
使用用途が事業の費用対効果にどれくらい影響を与えるかしっかり考えて、根拠に基づいた事業計画を立てて融資を申し込む必要がございます。
最初はもちろんきっかけとして、漠然と「融資を受けたい」でも、問題ございません。
融資をお申込みいただく前には、一緒に融資額の根拠をしっかり考えていければと存じます。
ここをどれだけしっかり考えられているかで、融資を申し込んだ際に審査が通りやすさが変わります。大変重要なポイントです。
「なぜ融資が必要なのか?」を深く考えていくと、融資後の事業活動にも大いに役立ちます。
弊所では事前にしっかりヒアリングをさせていただき、開業するまでの計画と開業後の事業計画を打合せさせていただきます。
それにより無理のない現実的な計画を立てることで、ご希望の融資額に達成するように一緒に取組ませていただいております。
お客様と一緒に融資の使用内容を打合せする際には、以下に掲げるものが多いです。
・設備の購入
・内装工事
・仕入、材料費関係
・家賃、敷金、礼金
・広告宣伝費
・人件費 などなど。
これらは融資の対象となる資金として、「運転資金」「設備資金」に分かれます。
「運転資金」「設備資金」のご説明は別に機会に記載致します。
弊所にてヒアリングをさせていただく際には事業をするために必要なものを書き出して、それの購入・支払にはいくら必要かを考え、一緒に計画を立てていきます。
弊所へお問い合わせいただく際に事前にこちらをリストアップしておいていただけると、よりスピーディにお話しを進めることができます。
お一人で考えるのが難しい場合にはヒアリングの際に一緒に考えさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
【融資返済期間と返済方法】
融資を受けることができる場合、返済期間(短期融資、長期融資)、返済方法(一括返済、分割返済など)をどうするかを決めることになります。
返済期間は「短期融資」「長期融資」の二つに分かれます。
創業融資の場合のほぼ全てが「長期融資」に該当します。
「短期融資」は融資実行から返済期間が1年以内のものをいいます。
「長期融資」は融資実行から返済期間が1年を超えるものをいいます。
融資審査で通りやすいのはどちらかと言いますと、「短期融資」です。
理由は、融資した側にとって、融資が何に使用され、返済できる根拠を把握しやすいことにあります。また、申込者側もだいたいが返済の目途が立っているから短期で融資を申し込むことが多いです。
「短期融資」がどういった場合に、使用されるか簡単に説明をさせていただきます。
創業融資の方には関係ないと思われるかもしれませんが、知っておいて損なことはございません。事業を続けられた場合にいつか必要になることもあるかもしれません。
「短期融資」で申し込みされる際に資金用途は、
・仕入代金の支払い(つなぎ融資)
→ 仕入と支払タイミングと売上の入金タイミングで入金が遅いために支払いが間に合わないという場合に「短期融資」を申込されます。定期的に申し込みをされる経営者様もいらっしゃいます。
・税金や賞与などの支払
→ 納税などの一時的な資金不足を補うために半年から1年かけて返済することで、
資金繰りを平準化させています。
これらが良く目にするパターンです。
仕入等の支払いサイトと売上の回収サイトが読みやすい事業者にとっては、「短期融資」は有効です。一度、融資取引ができるようになれば他のお取引先が増えた時の事業拡大にも役立ちます。
「長期融資」は短期融資と違い、資金繰りを計画的に立てて毎月の返済金をどのように確保して、何年で返済していけるかを考える必要がございます。
返済期間をあまりに短くし過ぎてしまいますと、毎月の返済額が大きくなってしまうので、注意が必要です。
そのため、事前に事業計画でどれだけ利益がでるかを考えいきます。
お客様によっては事業計画にて、利益が大きく出ると考えている方もいらっしゃいます。
しっかり根拠があり、私どもも利益が出ると判断をしても、やはり返済期間は短いより長い方を勧めさせていただきます。
理由は簡単で、計画通りに行かずに利益がでないことになってしまうと、資金繰りが一気に苦しくなるからです。
事業計画が予想通りうまくいけば、それはそれで融資額も含めた現預金が会社に多く残っているので、例えば次の事業計画に資金を回すことができます。
また、内的要因・外的要因で予期せぬ事態があった場合にも資金が十分にあることで対応方法に幅が広がります。
長期融資の返済方法には<一括返済><分割返済>に分かれます。
創業融資の場合には、分割返済の毎月返済が基本となります。
<一括返済>は、
その名の通り、融資元金を決められた期日に全額を一括で返済する方法です。
利息の支払い時期は、毎月、3か月ごと、融資実行日に全額など融資側と決めることになります。
<一括返済>は先ほども紹介しました「つなぎ融資」で活用されるケースが多いです。
また、不動産業をされている方で売買用不動産を購入するために融資を受けることがあります。その物件が売れたら返済するができるので、売れなかった場合 のリスクもございますが、活用される経営者様もいらっしゃいます。
<分割返済>は、
融資元金を分割して返済する方法です。
分割のペースは毎月が多く、それ以外にも3ヶ月ごとなどもあります。
また、定期的に返済するのではなく6カ月後や1年後など不定期に返済する方法もございます。
分割返済額の返済方法では「元金均等返済」「元利均等返済」の二つパターンがございます。
返済には「元金」と「利息」の支払いをすることになります。
元金均等返済は
元金 → 毎回同額を返済
利息 → 元金に対する利率
元利均等返済は
元金+利息 → 毎回同額を返済
利息の計算方法は説明が複雑となりますので、割愛します。
元金均等返済と元利均等返済とで、返済期間が同じ場合には元金均等返済の方が支払総額が少なくなり有利です。
ただ、金利が低い場合には元利均等返済をお選びいただく方が資金繰りの計画を立てやすいです。余談ですが、住宅ローンを受けられる方のほとんどが元利均等返済を採用しています。
融資の分割返済では据置期間を設定することができます。
据置期間とは、融資実行日から一定期間(例えば6ヶ月)は元金の支払いを待ってくれるというものです。
創業する方にとって最初は売上が上がりにくいことが多いです。
速くても創業から6ヶ月くらいは売上が安定しない印象です。
そのため、創業者にとって据置期間は大変ありがたいです。
据置期間中にも利息の支払いは発生します。
注意点としては、例えば返済期間を7年(84ヶ月)で契約をし、据置期間を6ヶ月で設定している場合、実質78ヶ月(84ヶ月-6ヶ月)で元金の返済をすることになります。
そのため、据置期間をとりすぎると後で毎回の元金返済額が多くなることになります。
創業者でも個人事業から法人成りをする方は創業当初から安定して売上を確保することができる事が多いですし、法人成りでなくても創業から確実に安定して売上を計上できる場合には、逆に無理に据置期間を置かず融資実行日から返済を開始する方が良いと考えています。
返済期間同様に据置期間も慎重に考えていただければと思います。
融資を受ける理由や返済期間、返済方法をご説明させていただきました。
今後も弊所にて実際に合った事例を含めながら融資を申し込む際に、どういった準備が必要で日本政策金融公庫や銀行等の金融機関側でどういった資料を提示すれば、喜ばれるかもご紹介していければと思います。
創業融資だけにこだわらず、融資全般を掲載していきますので、既に創業融資を受けられた方にも、ご参考いただける内容にしていきます。
今回は以上となります。
ありがとうございました。