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2021.4.10

融資に対する金利の話し

今回は融資を受けた後に支払う金利の話しを致します。

金利の決まり方や減額の交渉などをご説明させていただきます。

融資を申し込みされる方は、融資を受けることだけに意識がいきがちです。

今回の様な内容は皆さまの経営判断の材料が増え、考えに幅が広がると思います。

融資について、ネット等で調べられてもあまり出てこない内容もございますので、最後までお読みいただければ幸いです。

 

金利の種類

 

<変動金利>

 

銀行等がする融資は基本的に変動金利が多いです。

金利は貸主と借主との交渉で決まりますが、銀行などでは短期プライムレートを基に借主への金利をどうするかを考えます。

プライムレートとは、業績や財務状況が良いなどの最優良会社へ融資をする場合に適用される最優良貸出金利のことを言います。

このプライムレートのうち、返済期間が1年以内のものを短期プライムレートと言います。

短期プライムレートは金融機関ごとにそれぞれで決められています。

 

 

 

<固定金利>

融資を受けてから返済が完了(完済)するまで、同じ金利で返済をしていくものです。

金利の変動がないので、将来の金利変動リスクを気にせずに考えられ、計画がたてやすいです。

また、日本政策金融公庫からされる融資はこの固定金利です。

住宅ローンを申し込むときにもよく利用されています。

注意点として、固定金利は融資額を繰り上げ返済した際に、銀行等に対して違約金を支払うケースがございます。

 

 

 

 

 

金利を下げるための行動

 

融資額を返済する際の金利は当然低ければ低い方がいいです。

交渉の方法は聞いてみたら、あたり前と思われるかもしれませんが、実際に取組まれていない経営者様がほとんどです。

 

まずは、そもそも金利はどのように決められているかをご説明致します。

下記の金利(率)を合算したものが金利になります。

 

 金利 = 調達金利+融資総額のうちの経費率+貸し倒れ損失率+銀行のもうけ

 

 ひとつひとつ説明を致します。

 

<調達金利>

銀行が融資をするためには資金が必要です。

 その資金の調達方法は、預金者から預けられる預金や日本銀行から調達などします。

 融資する側も資金を調達した際に一定の率で利息を支払わなければなりません。

 支払う率よりもらう率の方を高くしないと採算がとれないので、当然銀行が調達した金利より高い率が設定されます。

 銀行側での資金を調達する率は三井住友などメガバンクの方が信用金庫や信用組合などに比べて低い金利で調達できます。

 そのことが理由で、信用金庫や信用組合の方が融資での金利が高くなりやすいです。

 

<融資総額のうちの経費率>

皆さまが経営をする際に考えていただく内容に似ています。

 皆さまも事業をするために売上がいくら必要かを考える必要があります。

 考える際に、経費がどれくらいするのかが必要な売上のまずは根拠となります。

 売上以上に経費が発生すると当然赤字となり、事業として成り立ちません。

 銀行側でも、融資した金額の総額のうち、経費総額の割合を基に経費率を算出します。

 つまり、融資総額が少ない銀行ほど、この経費率が高くなり皆さまへの融資に対する金利は高くなります。

 ここでも、信用金庫や信用組合の方が銀行に比べて、融資総額が少なくなりがちですので、自動的に融資に対する金利が高くなりやすいです。

 

<貸し倒れ損失率>

その名の通り融資をした先が倒産した際に発生する貸し倒れの損失率を予想するものです。

 金融業は一般的な卸売業や小売業などより、貸し倒れが発生する可能性が高いです。

 融資する側にとって、当然貸し倒れ損失率を無視する事はできません。融資に対する金利の計算に足されることとなります。

 こういったこともあり、財務内容の悪い会社などに対しては融資に対する金利が高くなりやすいです。

 

<銀行のもうけ>

各金融機関にて決定します。皆さまと同じで必要な利益を検討してそのために必要な売上目標を設定します。

 

 

 以上が融資に対する金利の決まり方です。

 

ここまでを理解いただき、皆さまの商売の考え方を取り入れると下記のような方法が思いつきます。

 

・自社の経営状況、財務内容が良好な時に融資を申し込む。

 この状態の時に融資を申し込むという事は先程の金利の話しで、貸し倒れ損失の確率が低いと判断されます。

 つまり、銀行からの格付けが良いと考えてもらいやすいです。

 

・複数の銀行で融資を申し込む。

 皆さまも仕入れなどの購入をされる際に少しでも安い業者をさがすと思います。

 その際に業者間で相見積もりを取ることがあります。

 このことと同じで、複数の銀行へ融資の申込をすることで、一番安い金利の銀行を他の銀行へ提示し、金利を安くできないかを交渉することができます。

 この方法は金利の話しでの、融資総額のうちの経費率と銀行のもうけのところになります。

 皆さまも得意先から値切り交渉された際にもうけを意識されると思います。

 また、赤字にならないように注意します。それと同じ考えです。 

 

・融資担当者と会うたびに金利が低くなるかを確認する。

 すでに融資を受けている場合には、定期的に融資担当者が経営者様のところまで訪問されることが多いです。融資担当者の方は経営がうまくいっているか財務内容を確認します。それ以外にも新たな融資の話がないかも経営者様に対してアンテナをはっています。

こちら側も融資担当者へ会うたびに現状の金利から下げることはできないかを常に交渉チャンスがあります。いつも言い続けると流石に融資担当者も覚えてくれます。

何かのきっかけに融資担当者が交渉に応じてくれる可能性が高まります。

また、融資担当者も心理的に高い金利では提案はしにくくなります。

皆さまの商売でも値段にうるさいお客様に対しては高い値段で交渉するのは嫌に感じるかと思います。

 

 

融資側から金利を上げたいと言われたら?

 

逆に融資側から金利を上げたいと提示を受けることがあります。

よくあるのが経営者様の財務状況が悪い場合です。

理由は金利の計算方法をご覧いただいた通り、貸し倒れのリスクが高いからです。

融資側からすると、もうけがなくなるだけでなく融資額が回収できないこととなります。

つまり、卸売業、小売業で例えるとただで商品をお客様に渡すことになります。

サービス業では無料でサービスを提供することになります。

事業をする上で一番避けなければならないことです。

融資側も同じ気持ちです。回収ができなければもうけどころの話ではなくなります。

融資の契約時に金利が上がる場合の条項を定めています。

それを根拠に皆さまへ金利を上げることを提示していきます。

いきなり、金利を上げたいと言われることはないですが、返済額の減額やリスケジュールなどの交渉の際に言われることが多いです。

この交渉中に言われてしまうと、経営者様は了承をするしかないと考えてしまいます。

決してそんなことはないです。

融資担当者から金利を上げたいと言われても絶対に慌ててはいけません。

経営状況が厳しいにもかかわらず金利が上がり毎回の返済額が増加することは経営者様にとって追い打ちです。金利の増加は避けなければなりません。

 

融資側も勝手に金利を上げることはできないので、交渉できるタイミングはあります。

その交渉の際に返済ができる根拠が説明できるよう、経営計画書を作成しそれに基づいて交渉をしていきます。

この経営計画書の作成などは後日に掲載させていただきます。

 

 

最後に、弊所では創業融資だけでなく、すでに融資を受けている方で追加融資や融資側との交渉などもご相談いただいております。

融資側では財務内容などの経営状況を数字で判断します。

この数字の把握が融資側も経営者様側でも最重要ポイントです。

ご自身でされる経営者様もいらっしゃいますが、我々のようなプロの視点も含めて事業計画を立てられる方が皆さまのご希望を実現できるかと考えています。

 

今回は以上となります。

ありがとうございました。

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