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2021.9.25

日本政策金融公庫、銀行などの融資での特徴とつき合い方

今回は日本政策金融公庫、銀行などの融資での特徴とそのつき合い方をご説明いたします。

過去にも金融機関の種類として、ご説明をさせていただきましたが、今回はそれに加え経営上どのように銀行等へ付き合っておくのが理想かをご説明させていただきます。

経営者様でよくあるのが、もともと融資を受けていて追加で融資を受けたい場合に、今受けている融資先からしか融資を申し込もうとしないことです。

追加で融資を申し込むときは、今後の事業を成長させるための重要なタイミングです。

銀行などとの付き合い方を変えるだけで、5年10年先の経営状況が変わります。

一辺倒な考え方にならず、広い視点でご判断いただくことが大切です。

どうぞ、ご参考くださいませ。

 

 

日本政策金融公庫

 日本政策金融公庫は政府系の金融機関です。

 政府系の金融機関であるため、銀行などに比べて利益を追求しておらず、融資するための原資も国からのお金です。

 創業融資をご検討されている方は、まずは日本政策金融公庫から融資を申し込むことがほとんどです。

 

 日本政策金融公庫は下記の3つのグループに分かれて、融資を行っています。

 

 ・国民生活事業

  創業融資を申し込むほとんどが、こちらに申し込むことになります。

  日本政策金融公庫の中では規模の小さい会社を対象に融資の対応をしています。

  事業をするほとんどの経営者を相手にしてくれるため、創業者向けの先となります。

 

 [特徴]

  ・創業融資に積極的

  ・無担保無保証で融資がうけられる(新創業融資制度を利用する場合)

  ・審査が速い

  ・300万円~1000万円の融資が得意

  ・金利が低い

  ・固定金利

 

 

 ・中小企業事業

  日本政策金融公庫の中で規模の大きな会社を対象に融資の対応をしています。

 

  [特徴]

   ・有担保の融資が基本

   ・借入期間が5年を超えるものが多い

   ・融資額が1,000万円から対象

   ・金利が低い

   ・固定金利

 

 

 ・農林水産事業

  農林漁業者に長期的かつ低金利で資金を融通します。

  細かいご説明は割愛させていただきます。

 

 

 政府系金融機関には日本政策金融公庫以外にも商工組合中央金庫がございます。

 日本政策金融公庫と大きな違いは融資の際に保証協会からの保証を求められる場合があります。

 また、商工組合中央金庫は粉飾にかなりうるさいことで有名です。

 当然、粉飾をすることは論外で絶対にしてはいけないことです。ただ、このことが有名なため、商工組合中央金庫と取引ができていると対外的に銀行などからも良い印象を持ってもらいやすいです。

 融資を受けるハードルが高いので、商工組合中央金庫との取引を検討される場合には、創業後に軌道に乗った段階が良いと考えています。

 

 

銀行などの金融機関

 銀行などの金融機関は民間金融機関と言います。

メガバンク・地銀・信用金庫、信用組合がございます。

下記がそれぞれの特徴です。

 

・メガバンク

 「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」が3大メガバンクと言われています。

 メガバンクは融資の金利が低いです。理由は前回のコラムで掲載していますので、そちらをご参考いただければと思います。

 融資の対象とする会社の規模は年商10億円以上からでないと相手にしてもらえないのが基本です。

 創業の会社へは融資だけでなく、口座の開設もしてもらいにくい印象です。

 そのため、創業の段階でメガバンクへ融資を申し込むことはほとんどありえません。

 

 ・地銀

  年商が10億円未満でも融資の対象としてもらえます。

  地域の地方創生を一つの取り組みとして取り入れているため、メガバンクに比べて個人事業や中小企業は融資を申し込みしやすいです。

  地銀では創業など初回の融資は保証協会付きの融資で進むことが多いです。

  融資を申し込む地銀の口座をメインバンクにし、会社の財務内容が良好であればプロパー融資を申し込めるケースもありますが、基本的には保証協会付きの融資となります。

 

・信用金庫、信用組合

  中小企業や個人事業への融資に特化しています。

  営業のエリアが絞られているので融資もですが、こちらの要望に対して小回りが利きます。その点もメリットがあると考えています。

  また、地銀より融資を受けられるハードルは低い印象ですが、金利が高い印象がございます。

  金利が高くなる理由は前回のコラムをご参考いただければと思います。

 

 

銀行などの金融機関について、保証協会付き融資とプロパー融資のどちらも融資の申し込みができる場合には、かならずプロパー融資の方を選択いただく方が良いです。

保証協会付き融資とプロパー融資ではプロパー融資の方がハードルが高いからです。

銀行からプロパー融資の提案をもらえるのは、事業が安定した状態で財務内容も良好でないとなかなか提案をいただけません。

保証協会付き融資の方が銀行のリスクが低く抑えれるため、プロパー融資より融資を受けれるハードルは低くなります。

 

 

銀行などの付き合い方

 融資を受けるとき、受けた後など銀行があなたに対してする行動で向こうの気持ちがわかります。

 銀行があなたの会社と取引をしたいと思っている行動は下記のとおりです。

 

  ・会社によく訪問をしてくる。

  ・銀行側から融資の話題を振ってくる。

  ・総合振り込みなどの手数料の引き下げを提案してくれる。

  ・プロパー融資を勧めてくれる。

 

 銀行側からこのような行動をしてもらえる場合、必ず経営者様へは色々な銀行から営業の連絡が来ます。この時には一つの銀行にこだわらずに、他にいい条件を提案してくれる銀行がないかを確認していただきたいところです。融資の金利が低くなることもあるので慎重にご検討いただく必要がございます。

 

 今度は逆に銀行が取引をしたくないと思っているときの行動です。

 会社が傾きかけているときには、銀行側は本当にシビアになりますので、経営者様にとっても大変ショックに思われます。

 下記のような行動がみられる場合には、注意が必要です。

 

  ・会社へ訪問に来ない。

  ・銀行側から融資の話題がなくなった。

  ・融資の返済を早めるように提案される。

  ・融資について、担保を入れるように依頼される又は所有不動産の売却を勧められる。

 

 このような行動がある場合には、銀行側は取引を終了し、早く撤退したいと考えています。

 この状態だと追加で融資の申し込みや、金利の交渉はかなり困難です。

 ここまでになると事業が回復するまでは相手にしてもらえなくなります。

 銀行側は融資が貸し倒れることを避けなければならないため、しょうがない部分ではあると思います。

 こちら側ができることは、別の機会でもご説明をさせていただきますが複数の銀行と取引をしておくことです。

 銀行や信用金庫、信用組合はそれぞれで強みが違うことが多いので、事業が上手くいっていなくても特定の信用金庫だったら手助けをしてくれるということもございます。

 

 

今回は日本政策金融公庫、銀行などの種類とそのつき合い方をご説明させていただきました。

ご覧いただきました方は創業融資をご検討いただいている方が多いかと思いますが、今回のような話しも踏まえて創業時での活動を考えていただけると短期的な計画だけでなく中・長期的な視点でご検討いただけるかと思います。

また、付き合い方は少ししかご紹介できていないので、別の機会でも掲載をしていこうと考えています。

今後も、創業融資だけにこだわらず、融資が必要なすべて人にとって必要な情報を提供できるようにさせていただきます。

 

 

今回は以上となります。

ありがとうございました。

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