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会社経営の虎の巻②
損益計算書(P/L)を見てビジネスに活用する方法をお届けします。
会社を継続し、黒字にするためには、とくに次の①、②、③をチェックすることが大切です。
[1] 損益計算書(P/L)のチェック項目
① 売上高
② 粗利率・粗利(売上総利益)
③ 販売費及び一般管理費
一般的な中小企業の場合は、営業外損益や特別損益はそれほど発生しませんので営業利益に注目していきましょう。
つまり、
① 売上高は前月(前年)と比較してどうか。
② 粗利率・粗利(売上総利益)は前月(前年)と比較してどうか。
③ 販売費及び一般管理費は前月(前年)と比較してどうか。
これらを分析していく必要があります。
[2] 粗利(売上総利益)から分かること
① 粗利(売上総利益)とは売上高から売上原価を差し引いたものです。
これは販売業などで商品の売値から仕入れ値を差し引いた差額です。
粗利(売上総利益)は第1段階にあたる利益ですから非常に重要といえます。
② 粗利率
粗利(売上総利益)÷ 売上高で求めます。これは儲かった額の割合を表わしています。
[3] 営業利益から分かること
会社の本業で稼いだ正味の利益が分かります。
営業利益は粗利(売上総利益)から販売費及び一般管理費を差し引いて求めます。
[4]経常利益から分かること
会社の総合的な実力を示します。
営業利益は会社本来の営業活動の成果を示すことは間違いありません。
しかし、現実には借入金の利息の支払い、預金の受取利息もあります。これらの収益・費用を加味したものが経常利益です。
[5]税引前当期純利益から分かること
すべての収益・費用を加味した純粋な当期の経営活動の成果を示します。税金を差し引く前の会社の処分可能な利益を示します。
経常利益にごく臨時的な収益・費用を加味して税引前当期純利益を計算します。
会社を継続し、黒字にするために損益計算書(P/L)の
① 売上高
② 粗利率・粗利(売上総利益)
③ 販売費及び一般管理費
についてチェックを実施し、これにより見えてきた問題点の解決方法をお届けしますのでぜひご覧ください。
黒字にするためには売上至上の考え方から利益至上の考え方に転換することが大切です。
具体的な解決方法が3つあります。
[6]コスト削減(販売費及び一般管理費)
コストには見えるコストと見えないコストが存在します。
(1)見えるコスト
販売費及び一般管理費のすべての科目の推移を調べるとムダが見えてきます。
たとえば福利厚生費・家賃・保険料・接待交際費・通信費などについてコスト削減の余地はないのかを確認してみてください。
(2) 見えないコスト
① 業務を見直す
たとえばネットバンキングを利用すると、銀行窓口へ行く手間が省けます。
社員の経費精算を現金で行っている場合などは、月1回給与と一緒に振込むと手間が省けます。
② 組織を見直す
会議などを減らすと意思決定の迅速化につながります。
③ セグメント会計(事業の種類等を一定単位に分解する方法)
損益計算書(P/L)を事業所別に分解すると、より経営の実態が分かりやすくなります。
[7] 粗利率向上
粗利率の大きなブレをおこさないためには次の事項が大切です。
① きちんと値決めをする。
販売価格(値決め)がバラバラになると、同じ売上げでも粗利率が違ってきます。
粗利率を一定にするためには、値決めはとても重要な業務です。
② 安易な値引きをやめる。
値引きも粗利率の大きなブレの原因です。
粗利率を一定にするためには、値決め、値引きの決定はとても重要なポイントになります。
また、これら以外にも仕入れ額や外注費などの見直しも大きな効果があります。
[8] 売上げ向上
コストを削り、粗利率を向上させた。その次は売上げ向上を考えましょう。
販売価格は簡単に上げることはできません。
セールス・マーケティング・イノベーションを同時に行うことが大切です。
① セールス
既存の顧客の売上げを向上させる。
アフターサービス、保守サービス、コンサルティングが必要です。
② マーケティング
新規の顧客の売上げを向上させる。
会社の商品などを知ってもらうには、看板、広告、ホームページなど沢山の方法があります。
③ イノベーション
新規のビジネスを展開します。
社会の動き、顧客のニーズを見据えて常に新商品・新サービスを生み出すことが大切です。
黒字を達成するための方法をいくつかお届けしました。
お悩みごとなどあれば、ぜひお気軽にご相談ください。