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人件費の注意点 その4
前回に続き労働保険について、会社が負担する額と納付時期をご説明いたします。
(ここでは社会保険を「健康保険」「介護保険」「厚生年金」とし、労働保険は「雇用保険」「労働保険」とします。)
労働保険料の計算は下記の2つに分かれます。
※一般の事業を前提で率を記載いたします。その他の業種での率についてはURL「令和2年度の雇用保険料率について」をご参照ください。
1.労災保険料
4月から翌年3月までの給与総額(以下「給与総額」とします。)
給与総額 × 3/1000 = 労災保険料
2.雇用保険料
給与総額 × 9/1000 = 雇用保険料 (内、従業員負担は3/1000)
※雇用保険での給与総額は雇用保険に加入している従業への給与のみ計算の対象となります。
※4月1日に64歳以上の従業員は計算から除外されます。
例:年間の給与額が360万円の場合で計算をしてみます。(雇用保険加入者とします。)
1. 360万円 × 3/1000 = 10,800円
2. 360万円 × 9/1000 = 32,400円(内、会社負担21,600円、従業員負担10,800円)
10,800円+32,400円=43,200円を納付することとなります。
雇用保険の従業員負担分は給与を従業員へ支給する際に天引きをしているので、実質21,600円を会社が
負担することとなります。
※石綿健康被害救済法に基づく一般拠出金は説明を割愛させていただきます。
労働保険料の納付の流れ
初回に概算額で納入することになります。
以降は毎年6月1日から7月10日までに概算確定申告書に基づいて納入します。
例:令和1年8月に新規加入した場合
初回:令和1年8月時点で令和1年8月~令和2年3月分を概算額で納入します。
2回目:令和2年6月~7月10日までに①で計算した額の確定額と令和2年4月~令和3年3月までの
労働保険料を概算計算し、差額を精算し納付します。これを「年度更新」といいます。
以降は2回目と同じ流れです。
以上が計算と納付のご説明になります。
従業員を雇用する際には給与を支給する以外に社会保険料、労働保険料を検討する必要がございます。
経営者として、これらの制度は認識しておくことが重要です。
実際に手続きや計算をする際には各専門家へ依頼することもご検討いただければと思います。
参考
【令和2年度の雇用保険料率について】
https://jsite.mhlw.go.jp/niigata-roudoukyoku/content/contents/reiwa2-hokenryouritu.pdf
【労働保険料の申告・納付】
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_3.htm