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事業再構築補助金
事業再構築補助金(運営元:クロスト税理士法人 参照)
第2回の応募が7月2日(金)18:00に締め切られました。
今後の予定としまして、第3回は7月下旬から開始される見込みとのことです。
創業融資とは別のお話しになりますが、既に別事業をされている経営者様へも向けて情報提供をできればと考えております。
1.【概要】
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の事業再構築を支援する補助金です。
こちらの補助金は中小企業等が事業を再構築することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。
国からの予算額で1兆1485億円が計上されており、超大型の補助金事業となります。
公募は1回だけでなく、令和3年度には4回程度実施される予定です。
補助金額が大きいこともあり、事業者が取り組む内容も大規模な内容となります。
以前によくお問い合わせがあった小規模事業者持続化補助金の時の様に申請者本人が書類を作成し、申請をできるような内容ではないです。要件でもある認定経営革新等支援機関と一緒に計画を策定し書類の作成、申請をしていく必要がございます。
2.【公募期間】
未定です。
3.【補助金申請のための主要要件】
①売上が減少している
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意で決めた3か月の売上合計金額が2019年又は2020年の1~3月の3か月売上合計金額と比較して10%以上減少していること。
※2020年4月1日から2020年12月31日までに創業した場合にも、特例的に支援の対象となることになりました。
2020年10月以降の連続する6か月間のうち任意の3か月の合計売上高を、2020年の創業時から同年12月末までの1日当たり平均売上高の3か月分の売上高と比較して算出できます。
②事業再構築に取り組む
補助金申請のための取組内容は下記の5つのパターンのいずれかをする必要がございます。
・新分野展開 → 新たな製品等で新たな市場に進出する
・事業転換 → 主な事業を転換する
・業種転換 → 主な業種を転換する
・業態転換 → 製造方法等を転換する
・事業再編 → 事業再編を通じて上記4つのいずれかを行う
③認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
・補助金額が3,000万円を超える場合には、金融機関も策定に参加すること。
(金融機関が認定経営革新等支援機関の場合には、金融機関のみでもOK)
・補助事業終了後3~5年で決められた目標に達成できる見込みで事業計画を策定すること。
4.【補助額】
<中小企業>
通常枠 100万円〜6,000万円 補助率2/3
卒業枠 6,000万円超〜1億円 補助率2/3
※卒業枠とは400社限定で別途要件を満たして、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠です。
<中堅企業>
通常枠 100万円〜8,000万円 補助率1/2(4,000万円超は1/3)
グローバルV字回復枠 8,000万円超〜1億円 補助率1/2
※グローバルV字回復枠とは100社限定で別途要件を満たす中堅企業向けの特別枠です。
<緊急事態宣言特別枠>
緊急事態宣言の影響により、令和3年1~6月のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少している事業者には、下記の通り補助率が引き上げされます。
従業員数 |
補助金額 |
補助率 |
5人以下 |
100万円~500万円 |
中小企業3/4 |
6~20人 |
100万円~1,000万円 |
|
21人以上 |
100万円~1,500万円 |
こちらの特別枠は不採択となったとしても、加点された上で通常枠にて再審査がされます。そのため、特別枠に該当する場合には採択率が高くなりますので特別枠でまずは申請する方が良いと考えます。
<補助金対象経費>
基本的に設備投資を支援することが目的となります。
新しい事業を開始するのに必要な研修費、広告費なども補助金対象です。
補助金対象経費例
主要経費
建物費(建物の建築・改修に要する経費)、建物撤去費、
設備費、システム購入費、リース費
関連経費
外注費(製品開発に要する加工、設計等)、
技術導入費(知的財産権導入に係る経費)
広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
研修費(教育訓練費等)、
クラウドサービス費、専門家経費
補助金対象外経費例
人件費
不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)
販売する商品の原材料費など
5.【取組み内容の必要要件】
「3.補助金申請のための主要要件(②事業再構築に取り組む)」で記載した5つパターンには、該当するためにそれぞれに決められた要件を満たす必要がございます。
各パターンでどのような要件が必要となるか記載します。
事業再建は説明を割愛させていただきます。
新分野展開
製品等の新規性要件、市場の新規性要件、売上高10%要件
事業転換
製品等の新規性要件、市場の新規性要件、売上高構成比要件
業種転換
製品等の新規性要件、市場の新規性要件、売上高構成比要件
業態転換
製造方法等の新規性要件、製品の新規性要件(製造方法の変更の場合)又は設備撤去等又はデジタル活用要件(提供方法の変更の場合)、売上高10%要件
これらの要件には、具体的にどういう取り組みをする必要があるかの考え方がございます。
要件ごとに一つ一つ記載をし、説明をするとボリュームが多くなってしまいますので、「事業再構築指針の手引き」に記載されている例題を基に事業の内容でどういった取り組みをしたら、補助金申請の対象となるかを下記に記載致します。下記へまとめました。
6.【取組み例】
飲食業(事業転換に該当するパターン)
例:日本料理店が焼肉店を新たに開業した。
- 製品等の新規性要件
1.過去に焼肉店をしたことがないこと。
2.焼肉店を開業するのに、新たに設備や改装などの費用がかかること。
3.同種料理店の競合他社の多くが、焼肉店をしていないことを説明できること。
4.商品が異なり、定量的に性能又は効能を比較することが難しいこと。
- 市場の新規性要件
1.焼肉店をすることで日本料理店としての売上が減少してしまうということが起こらないと説明できること。(新たな客層をターゲットとするため。)
2.(任意)日本料理店の客層と焼肉店の客層とで焼肉店をすることによって新たな客層を開拓することが事業計画にて説明できること。(年齢層、性別、家族構成など)
※説明できれば採択にて高い評価を受けることができる可能性があります。
- 売上高構成比要件
3~5年間の事業計画期間終了後時点で、営んでいる飲食店にて焼肉店の売上構成比が一番高くなっているように計画を策定されていること。
日本標準産業分類の細分類ベースで異なる分類がされていること。(日本料理店と焼肉店は分類されている)
※日本産業分類検索用
https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/10
製造業(業態転換に該当するパターン)
例:健康器具を製造している製造業者が、AI・IoT技術などを活用した。
- 製造方法等の新規性要件
1.過去に今回導入するAI・IoT技術などのデジタル技術を活用して人手不足を解消し、製品を製造した実績がないこと。
2.このデジタル技術を新たに導入する必要があること。
3.既に競合他社の多くが新たに導入する方法で製造していないこと。
4.新たに導入する方法が製造コスト、生産効率などをどれくらい改善できているか説明できること。
- 製品の新規性要件(製造方法の変更の場合)
1.これまで製造していた健康器具と同じ健康器具ではないこと。
2.製造コストを抑えるために、人手不足を解消するデジタル技術に関する専用の設備が新たに必要で、それを導入すること。
3.既に競合他社の多くが新たに導入する方法では製造していない旨を説明すること。
4.既存の健康器具と新たな健康器具との効果など性能の違いを説明すること。
- 設備撤去等又はデジタル活用要件(提供方法の変更の場合)
提供方法は変更していないので、こちらの要件は不要。
- 売上高10%要件
3~5年間の事業計画期間終了時点において、新たな健康器具の売上が総売上高の10%以上を占める割合になるよう計画が策定されていること。
7.【注意事項】
1.申請は全て電子申請です。
そのため、「GビズIDプライムアカウント」が必要となります。
アカウント作成に2~3週間近くかかることがあるため、事前にID取得をしておくことをお勧めします。
https://gbiz-id.go.jp/top/
2.同一事業で複数の補助金を申請することはできません。
ただし、同じ会社が別の事業で異なる補助金を申請することは可能です。
3.不正等があった場合には補助金の返還だけでなく、法令に基づく罰則が適用される可能性がありますので、ご注意ください。
以上となります。
事業再構築補助金の説明をさせていただきました。
経済産業省から発表されている内容をまとめましたものですが、当ページの記載内容に基づいて全ての判断をせず、必ず公募要領をご確認いただきますよう、お願い致します。
今回の掲載内容をご参考いただいて不採択になった場合等には、当社は責任を負いかねます。
事業再構築補助金を申請される際には、必ずご本人様のご判断で申請内容を進めるようにお願い致します。
【参考】
経済産業省:事業再構築補助金
https://jigyou-saikouchiku.jp/#c1